2011 Fiscal Year Annual Research Report
安定的レーザーチャネル下での光パラメトリック過程で生じる光パルスのダイナミックス
Project/Area Number |
21540414
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
森 道昭 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (10323271)
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Keywords | fsレーザー / 量子ビーム / T^3レーザー / プラズマ |
Research Abstract |
本年度は、前年度に得られた3テラワット級レーザー励起で世界最高の60MeV近いピークエネルギーを持つ準単色構造の電子ビーム発生に関する実験結果に続く形で、光パラメドリック過程の前段階の光パルスのプラズマ中での伝搬の挙動を明らかにする上で重要となるレーザー伝搬の挙動について研究を行った。実験では、アルゴンガスとネオンガスを使い、それぞれでレーザー光の伝搬を横方向からのフェムト秒のパルス幅を持つ光プローブでシャドーグラフによって評価を行った。その結果、実験結果と光線追跡計算との比較から、初期のレーザー光の空間的な強度分布に由来する電離状態がその後のレーザー伝搬に影響を与える事を明らかにした。本結果は、初期の電離状態をコントロールする事で光パラメトリック過程に制御性を持たせることができる事を示す結果であり、本研究課題において重要である(日本物理学会において口頭発表)。 また、これとは別にレーザーパワーを変えた際の相対論的自己収束と高エネルギー電子ビームの発生の条件の調査を行った。具体的には、相対論的自己収束によって引き起こされる高エネルギー電子線発生を、実験結果とモデル計算との比較によってそのスケーリングを明らかにした。本結果から、低密度領域ですでに明らかになっているスケール則(低密度領域ではレーザーパワーの変動に対して、プラズマ密度は1.5乗のスケールで整合)に比べ緩やかなスケール(レーザーパワーの変動に対して、プラズマ密度は1乗のスケールで整合)を持つ事を明らかにした(Journal of Physical society of Japanにて論文発表した)。
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