2009 Fiscal Year Annual Research Report
炭素の窓を利用した軟X線顕微鏡での生きた細胞観察の試み
Project/Area Number |
21540422
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
楠本 邦子 (竹本 邦子) Kansai Medical University, 医学部, 講師 (80281509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 裕 関西医科大学, 医学部, 教授 (20049076)
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Keywords | 軟X線顕微鏡 / 炭素の窓 / 放射線耐性菌 / Deinococcus radiodurans / 低温観察 |
Research Abstract |
平成21年度は「炭素の窓」利用に向けた軟X線顕微鏡の改造を行う予定であったが,光学素子(ゾーンプレート)等を真空槽中に設置する超小型4軸ステージのエンコーダシステムとコントローラーに不具合が見つかり,その対応を行った。メーカ(ドイツ)対応が必要で,大幅な時間を必要とし,導入は予定の21年度秋期から半年遅らすよう計画を変更した。この日程変更は,ビームタイムスケジュールより調整したものである。なお,LabViewによる制御用システムの開発と周辺機器の整備は終了している。計画通り,低温観察試料ステージの改良を行った。低温時の試料ステージの安定性が顕微鏡の分解能に満たないという問題を解決するため,試料ステージと冷却システムを分離した試作機を作製し,試料ステージの安定度を調べるテストを行い,安定性を確認した。 今回の計画で試料として用いる放射線耐性菌Deinococcus radioduransの「炭素の窓」エネルギーでのX線耐性を放射光科学研究施設(PF)で調べた。照射実験は行うことが出来たが,D.radioduransの放射線耐性に関する多くのデータを得るため,引き続きビームタイムを申請していく予定である。 交付申請書では計画していなかったが,琵琶湖のピコ植物プランクトンの寒天質の観察のための予備観察実験を行った。寒天質を持つと同定されている小型植物プランクトンの寒天質の観察を行い,試料調整法や寒天質可視化の方法について検討した。直径500nmのラテックス球を用いることで寒天質の存在を明確に描き出す方法の開発を行い,その可能性を見出した。
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