2009 Fiscal Year Annual Research Report
強非線形波群解とそれに基づくフリーク波発生メカニズムの解明
Project/Area Number |
21540451
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
田中 光宏 Gifu University, 工学部, 教授 (70163582)
|
Keywords | 海洋波 / freak wave / rogue wave / 直接数値シミュレーション / 水面波 / 定常進行波解 / 波群構造 |
Research Abstract |
平成21年度は,非線形Schroedinger方程式に代表される弱非線形な包絡方程式ではなく,水面波の基礎方程式そのものに基づいて,強非線形な定常進行波群解を求める方法論について検討した.既往の研究はほとんどなく,幾多の試行錯誤の後,ほぼその開発に成功した.その後,更なる方法論の向上を目指して,近年流体力学分野で話題になっている乱流状態を表す周期解を求める方法論の本問題への適用性を検討している段階で残念ながら年度末を迎えることになった.H22年度にはこれら開発済みおよび開発中の方法論を駆使して,強非線形波群解の球解およびその性質の解明などに取り組む予定である. なお,feak waveは現実的には広帯域を有する非線形不規則波動場の中に出現する現象であるとの意識から,狭い意味では研究課題から多少逸れるかもしれないが軌を一にする課題として,非線形不規則波動場(波動乱流)のエネルギーゆらぎを対象とした基礎的な研究にも取り組んだ.その結果,ゆらぎの分布の時間発展ならびにその波数依存性などについて多くの新たな知見を得ることに成功した.これらについては国内研究集会のプロシーディングとして発表し,現在欧文論文も準備中である.
|