2011 Fiscal Year Annual Research Report
気象モデルとLES乱流計算モデルの融合による都市域での突風の定量予測手法の構築
Project/Area Number |
21540453
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 浩成 日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 研究員 (50535903)
|
Keywords | 大気境界層 / LES / 数値流体力学 / 気象予報 / 都市気象 / 気象モデル / 突風 / 都市モデル |
Research Abstract |
気象モデルによる高分解能数値シミュレーションで得られた風速データをLES乱流計算モデルに入力するため手法を改良した。すなわち、LESモデルにおいて乱流を効率よくかつ流体力学的な整合性を持つ手法で生成し、気象モデルの出力値に乱れを重ね合わせることで、気象場の影響と都市での乱流生成の双方を考慮する新しい手法を考案した。本手法を2009年18号台風の事例に対して適用し、東京で発生した強風の再現シミュレーションを行った。東京都心部は2m分解能の建物データを用いることで、高精度かつ高分解能での都市をLESモデルにおいて表現した。さらに、LESモデル内でネスティング手法を構築し、LESモデル内で20m解像度から5m解像度への高分解能化も行った。気象モデルとLESモデルの融合による計算結果を気象庁による東京都心での風観測データと比較し、実際に観測された瞬発的な風速の極値(瞬間風速値)や突風率(10分平均風速値に対する瞬間風速値の倍率)が数値計算によって良好に再現することができた。このように本研究では、気象モデルによる風速値にLESモデルで生成した乱流成分を重ね合わせることで、実際の気象条件に応じた風速の乱流的な変動を再現することを可能とする手法を構築することができた。得られた研究成果は、国内外での学会・会議で発表を行い、また査読付論文や解説記事として論文発表を行った。都市をはじめとした複雑粗度上(複雑地形を含む)での風速変動は、都市における防災や環境の問題に取って重要であるのみならず、原発事故時の放射性物質の拡散といった緊急対応が必要不可欠な場合に対しても、極めて大事な情報である。本研究で構築した手法は、緊急対応のような非定常な状況での数値解析手法として今後の発展が期待される。
|
Research Products
(11 results)