2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540457
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
蒲地 政文 Japan, Meteorological Research Institute, 海洋研究部, 室長 (00354548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 陽介 気象庁気象研究所, 海洋研究部, 研究官 (60343894)
松本 聡 気象庁気象研究所, 海洋研究部, 研究官 (00414516)
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Keywords | 淡水化 / 随伴逆探索 / データ同化 / 長期気候変動 / 温暖化 |
Research Abstract |
1気象研究所所有の海洋データ同化システムによる1950~2007年までの長期再現実験結果(モデル・観測統合データ)を用いて、淡水化の検出を北太平洋で行った。淡水化(あるいは海域によっては高塩分化)の空間分布を把握した。特に、北太平洋の中層(深度800m付近を中心とする層)での淡水化に伴う水塊の水平分布は、亜熱帯循環の中にいくつかの流れの筋を示唆する結果が得られた。 21.の分布から、東北沖あたりが淡水化の起源域に近いことがわかったため、モデル・観測統合データを用いて、亜熱帯系の黒潮水(高温高塩分)と亜寒帯系の親潮水(低温低塩分)との混合の比率、及びその海域での塩分流量の収支を求めて、淡水化への混合過程の影響を評価した。東北沖で親潮と黒潮の混合の比率が長期間にわたり変化しているために淡水化が北太平洋の中層で進行していることがわかった。また、淡水化に対する大気からの外力の各要素の寄与を評価する予定であったが、現在の海洋数値モデルの計算結果を解析してみると、淡水化のシグナルを求めるには中層の塩分場の再現性の精度が不足していることがわかり、この実験は中止することにした。そのため、次年度は、1.と2.前半の成果のまとめ及び、次の3.の実験に集中する。 32.の成果から東北沖での黒潮・親潮混合域での混合比率に淡水化のシグナルが現れているため、その伝播と原因を明らかにするために、データ同化手法で用いられる随伴モデルの開発に着手した。この随伴モデルは、時間を遡って現象の原因がどの海域にあるか(随伴逆探索)という情報を得ることができ、次年度以降の逆探索実験で用いる基礎ができた。
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Research Products
(17 results)