2010 Fiscal Year Annual Research Report
電離圏電子密度モニターを目指した衛星搭載真空紫外シュミットカメラの開発
Project/Area Number |
21540462
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
田口 真 立教大学, 理学部, 教授 (70236404)
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Keywords | リモートセンシング / 宇宙天気 / イメージング / 磁性流体研磨 |
Research Abstract |
昨年度の研究で、MgF2の平面と球面の加工については要求される面精度と面粗度を達成できることがわかった。今年度は、真空紫外シュミットカメラの要となる非球面MgF2補正板の製造技術を確立するため、非球面レンズの加工精度を試作により検証した。非球面の製作は面の傾斜が最も大きいところ及び研削量が最大になるところが特に困難となる。そこでフライトモデルの補正板と同程度の傾斜と研削量をもち、直径が60mmの補正板を設計した。それと同時に、試作した補正板を干渉計で評価するために、非球面補正板と組み合わせることで入射した平行光線を平行光線として出射するレンズ系を設計した。非球面補正板の製作には、昨年度の試験で平面及び球面の製作で精度と効率の点から有効性が確かめられた高精度ダイレクト研削を用いた。面評価にはHe-Neレーザー光を用いたフィゾー型干渉計を使用し、できあがった非球面補正板の面精度と面粗度を測定した。その結果、面精度は観測波長135.6nmに対し、約λ/3(PV)、λ/25(rms)という値を達成できた。今回の試作は高精度ダイレクト研削のみを施したが、この面にさらに磁性流体研磨による仕上げ加工を加えれば、λ/4(PV)以下の高い面精度の達成が期待できる。また、面粗度はおよそλ/100が達成されており、こちらは十分に実用レベルであると考えられる。今回はフライトモデルの36%の面積を持つ補正板の試作に成功したので、フライトモデルの補正板製作は加工時間すなわちコストだけの問題である。今年度までの研究で本研究の目標とする、真空紫外シュミットカメラの非球面補正板を製作する技術は確立できた。
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Research Products
(3 results)