2010 Fiscal Year Annual Research Report
磁気圏尾部リコネクション領域で観測される大振幅電場の研究
Project/Area Number |
21540464
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
篠原 育 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20301723)
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Keywords | 磁気リコネクション / 大振幅電場擾乱 / 粒子シミュレーション |
Research Abstract |
本研究は,磁気リコネクション領域で観測される大振幅電場構造がどのように形成されるかを解明し,大振幅電場構造が磁気リコネクションに対してどのような役割を果たしているかを明らかにすることを目的としている.この為に,Geotail衛星のプラズマ・電磁場高時間分解データの解析,および,空間高解像度の磁気リコネクションの粒子シミュレーションを行い,両者の結果の比較から総合的に大振幅電場の物理を理解することを目指してきた.これまでに,Geotail衛星の観測した磁気リコネクション・イベントの詳細解析によって,磁気リコネクション領域の構造とそこでの波動の関係を明らかにしたり,電場計測パラメータに対する光電子の影響評価などを行っており,磁気リコネクション領域の電子電流層の構造が観測的にも明らかになっていた.この電流層中に発生するプラズマ不安定を解析するという観点で,本年度は電子慣性長程度の現象が確実にキャプチャーできるように,2次元のほぼ実物理パラメータの高解像度の磁気リコネクションの粒子シミュレーションを行った.しかし,高解像度シミュレーションの結果を観測データと比べると,観測されるような大振幅電場は再現されず,空間解像度の問題で大振幅電場が再できない,という可能性は否定されることとなった.3次元的な複数のプラズマ波動モードのカップリングによって励起されている可能性が残されているが,この可能性については今後更なる検討を進める必要がある.
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Research Products
(2 results)