2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540467
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川邉 孝幸 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (00214685)
|
Keywords | 表層地質 / 地震動 / 液状化・流動化 / 振動特性 / 柏崎市東長崎 |
Research Abstract |
本研究では,大きな地震が起きた際に,表層地質および地形によって特有の被害が発生するが,これまであまり注目されてこなかった表層地質による被害について,被害を起こした表層地質の.堆積環境発達史と堆積体としての物性的特徴,特に震動特性の2つの側面から被害の発生要因を解明し,同様な地質条件の場所で今後起こりうる地震の際に被害の予防対策になることを目的としている。 平成23年度は,実際に2007年新潟県中越沖地震で地表直下の地層が液状化したために,農地と宅地が変形し,簡易貫入試験およびHDサンプラーによって約5m地下までの表層地質の実態調査をおこなった,家屋に被害ができた新潟県柏崎市東長崎地内において,深度ごとに3本ある観測井の伸縮計のベースに残った地震動の変位記録の解析を深め,表層地質と地震の変位記録との関係を解析した. また,昨年に引き続き,活断層上にあって,直下型地震の被害にあう可能性のある村山市白鳥地区の扇状地上において,層相による扇状地の堆積相を解析し.堆積環境の違いによる地震動の違いの基礎的調査研究を行なった. さらに,2011年東北地方太平洋沖地震による山形盆地内の被害調査をおこない,昨年度までに明らかにした1964年新潟地震などとの違いを比較し,山形盆地における地震動の特徴と,表層地質と地震動との関係を検討した.また,同様な観点から,東京都港区において,関東地震と2011年東北地方太平洋沖地震による鳥居の損傷痕を調査し,台地と低地との震動特性の違いに関する調査をおこなった.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当年度は,山形大学地域教育文化学部の学部改組のワーキンググループに選出され,改組に係わる理念・新組織・新カリキュラムの作成等に予想以上の労力が割かれた.また,2011年3月11に発生した平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の被害調査等によって,本研究テーマにかかわる当初予定の調査に遅れが生じた.
|
Strategy for Future Research Activity |
新潟県柏崎市の新橋地盤沈下観測井における深度ごとの常時微動・地震動の観測を継続するするとともに,研究が時間的に厳しい場合でも研究を遂行できるように,山形盆地内の研究に重点を置く.具体的には,山形盆地内における平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の強震動地域および岩相調査によって岩相および活断層にで切られていることが推定される山形盆地北西縁の小国沢川扇状地において地震動特性を明らかにし,岩相・活断層と地震動特性との関係を詳細に明らかにする.
|