2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540470
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
山本 博文 University of Fukui, 教育地域科学部, 教授 (50240122)
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Keywords | 鯖江断層 / 地震活動の空白域 / 地震発生確率 / 活断層 / 群列ボーリング |
Research Abstract |
鯖江断層は地形的特徴等から推定されてきた鯖武盆地中央部を南北に縦断する長さ18km,西側隆起の活断層である.断層周辺は,マグニチュード1程度の微小な地震すら発生していない地震活動の空白域となっており,地震活動の上からも注目されている. 鯖江断層は地形的な特徴からすると,少なくとも東西2本に枝分かれしている.これまで西側の断層沿い2ヶ所のトレンチ調査を行い,断層の存在を確認するとともに最新の活動がBC2100~AD1400であることを明らかにしてきた.本年度の調査は東側に位置する断層について調査を行った.調査地点は,小段差が明瞭な長泉寺児童館北側であり,トレンチ掘削を計画した. 掘削に先立ち,ボーリングを行ったところ,地盤が非常に軟弱であり,トレンチ掘削ができないことが判明したため,群列ボーリング調査に切り替え,試料採取をおこなった.ボーリング試料中には約2.6~2.9万年前の姶良Tnテフラ(AT)の純層が挟まっており,また幾層かに泥炭層も見出された.そこで泥炭および含まれていた木片の放射性炭素同位体元素による年代測定を行った. AT層は1~2mほどの食い違い(垂直変位)が認められ,約6千年前,約3千年前の泥炭質層もATとほぼ同様であった.これに対しAD600~700年の上部の泥炭層には食い違いがほとんど認められないことからすると,断層の最新活動時期は約3千年前の泥炭質層堆積後,AD600~700年の上部の泥炭層堆積前ということになる. 今回の群列ボーリングによって得られた結果は,これまでトレンチ調査で得られたデータと矛盾せず,鯖江断層が暦年代に補正するとBC2000年以降,AD700年以前に活動したと推定される.鯖江断層の活動可能性(地震発生確率)を明らかにするためには,最新活動時期をより明確にする必要があり,今後さらに調査を続けていかなくてはならない.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Estimation of underground structure around the Sabae Fault based on microtremor observation2009
Author(s)
Kojima, K., Yamamoto, H., Noguchi, T., Okamoto, T., Nakaya, E., Moto, K.
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Journal Title
Proceedings of the International Symposium on Geo-informatics and Zoning for Hazard Mapping
Pages: 285-290
Peer Reviewed