2011 Fiscal Year Annual Research Report
低温生成クロライトに適用できる地質温度計の開発と応用
Project/Area Number |
21540492
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
井上 厚行 千葉大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30150270)
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Keywords | クロライト / 地質温度計 / 炭酸塩鉱物の炭素酸素同位体 / 北海道豊羽熱水系 / 熱水変質作用 / 流体包有物の均質化温度 |
Research Abstract |
本年度は、昨年実施した北海道豊羽鉱床周辺の地熱探査井試料中のクロライトと共存する炭酸塩鉱物(カルサイトとロードクロッサイト)の炭素・酸素安定同位体測定と結晶中の流体包有物の均質化温度の測定に関するデータを論文化した。また、前年度までの結果を総合してクロライト地質温度計の応用例として、北海道豊羽熱水系の総合解析を実施した。その結果の一部はトルコ・アンタリヤで開催されたEUROCLAY2011で招待講演として報告した。現在は、総括的なデータを論文として執筆中である。 2010年に報告(Resource Geology vol.60,52-70)は、その年度のBest Article Awardに選ばれた。 上記の研究と平行して、種々の浅熱水性鉱脈型に伴うクロライトを分離し、X線光電子分光法による第2鉄の割合を決定した。併せて、EPMAによる分析および流体包有物の均質化温度測定などを行ったが、まだデータが不十分である。最近新たに試料を入手したので、重液分離を実施し、Fe3+の測定を行い、地質温度計の有効性を確かめる今後も研究を継続する。 すでに多くの研究者が我々の温度計を利用し始めており、その有効性は今後多くの研究によって確かめられるであろう。
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Research Products
(6 results)