2009 Fiscal Year Annual Research Report
西南日本沈み込み帯域マントルの岩石・化学的特徴とその進化過程に関わる火成活動
Project/Area Number |
21540495
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芳川 雅子 Kyoto University, 理学研究科, 教務補佐員 (00378605)
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Keywords | マントル捕獲岩 / 沈み込み帯域マントル / Sr-Nd同位体組成 / 微量元素組成 |
Research Abstract |
本研究の目的は、九州黒瀬に産するマントル捕獲岩の構成鉱物の主成分・微量元素組成およびRb-Sr・Sm-Nd・Pb同位体組成を求め、九州弧下のリソスフェリックマントルの化学的・同位体的特徴を明確化し、九州北部・中部に産する上部地殻岩や火山岩類との成因関係を考察することである。本年度は、新たに13捕獲岩中の単斜輝石の微量元素を求めた。その結果従来黒瀬マントル捕獲岩から報告されていたよりも広範な微量元素組成幅を持つ事がわかった。この組成幅は、少なくとも母岩と類似したアルカリ玄武岩やスラブ由来流体による交代作用を受けていたことを示している(芳川ほか,2009)。さらに、北部九州に産する北松浦玄武岩類のSr-Nd-Pb同位体分析を共同研究として行い、この玄武岩類がEM2+DMM的なマントルダイアピルがスラブ由来流体で汚染されたリソスフェリックマントルを取り込みながら溶融したことがわかった(柵山ほか,2009; Sakuyama et al., 2009)。この結果は、リソスフェリックマントルの断片である黒瀬マントル捕獲岩がスラブ由来の流体により交代作用を受けていた結果と調和的である。また、他の島弧下のリソスフェリックマントルと火山岩類間の成因関係を考察し、一般化を図るためイタリア・シシリー島に産するマントル捕獲岩についてもSr-Nd同位体分析を行い、かんらん岩と輝岩の同位体組成が異なっており、輝岩はよりアセノスフェリックレザバーと関与していることを示した(Bianchini et al., 2010)。
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[Presentation] Progressive melting of a hot mantle diapir with entrainment beneath southwestern Japan2009
Author(s)
Sakuyama, T., Yoshikawa, M., Shibata, T., Nakai, S., Sumino, H., Ozawa, K.
Organizer
American Geophysical Union, Fall Meeting
Place of Presentation
Moscone Convention Center, San Francisco, USA
Year and Date
2009-12-16
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