2012 Fiscal Year Annual Research Report
玄武岩の斑晶のホウ素とリチウム同位体比:南九州マントル・ウェッジの不均質性の解明
Project/Area Number |
21540496
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
新城 竜一 琉球大学, 理学部, 教授 (30244289)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ホウ素 / 同位体分析 / 炭酸塩 |
Research Abstract |
予定していた表面電離型質量分析計(TIMS)にかわり、H23年度末に本研究室に導入されたマルチコレクターICP質量分析計(MC-ICP-MS)を用いて、ホウ素同位体比の分析を行った。TIMS法に比べ、分析にかかる手間と時間の短縮化、および分析に必要とされるサンプル量の最小化が見込めるからである。 炭酸塩標準物質(JCp-1)に対して、昨年度までに開発したマイクロ昇華法を適用してホウ素の分離を行い、MC-ICP-MSで測定した。平均値(d11B=24.5)は文献値と一致したが、繰り返し再現性が少し悪い。pHの復元で必要とされる精度にするために、分析方法の改良が必要である。 火成岩標準試料(JB-2)についてマイクロ昇華法でホウ素の分離を行い、高回収率を得た。分離したホウ素はd11Bで9.1~9.5となり、文献値(d11B=7)に比べてやや高い値となった。同位体分別の原因がどこにあるのか、昇華条件の再検討も含めて、分析の最適化を図る必要がある。 レーザーアブレーション-MC-ICP-MS法を適用する実験も行った。これが確立されれば、従来のマイクロミルでの微小領域サンプル採取作業が省略され、懸案であった作業時のブランクの大幅な軽減も期待できる。今回はマトリックスが単純な炭酸塩試料を用いた。JCp-1のプレス・ペレットをスタンダードとして、現世と化石サンゴの分析を試みた。復元されたpHは8.7~9.0であり予想されるpHの値(8.1)よりも少し高い値であった。レーザー照射条件やサンプル表面の前処理の検討が必要である。 以上のように、精度の高い信頼性のあるデータを得るための技術開発に時間を費やしが、炭酸塩についてはほぼ満足できる技術開発が終了している。火成岩についての技術開発は最終的な段階にある。 本研究では当初の目的である天然試料への応用までは研究が進展できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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