2011 Fiscal Year Annual Research Report
放射光大半径ガンドルフィカメラ法での微小試料の非破壊鉱物相定量法の開発
Project/Area Number |
21540499
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
田中 雅彦 独立行政法人物質・材料研究機構, 高輝度放射光ステーション, 主席エンジニア (60249901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 智樹 東北大学, 理学研究科, 准教授 (20260721)
野口 高明 茨城大学, 理学部, 教授 (40222195)
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Keywords | ガンドルフィカメラ / シンクロトロン放射光 / X線回折 / 小惑星試料 / イトカワ / はやぶさ / 斜長石地質温度計 / 非破壊分析 |
Research Abstract |
高分解能放射光ガンドルフィカメラを用いて、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機が小惑星イトカワの表面から回収した微粒子のX線回折実験を実施した。 実験は大型放射光施設SPring-8のBL15XUにて実施した。高分解能ガンドルフィカメラに、細いグラファイトファイバーの先端に樹脂で接着されたイトカワ微粒子を搭載し、Nb-K吸収端波長(18.986keV)の単色X線を照射し、試料からの回折X線を観測した。回折X線は半径955mmの円筒状イメージングプレート上に記録しデータ連結などの処理の後粉末回折図形として取り出した。空気散乱によるバックグラウンドノイズを低減するため試料周りに半径約60mmのチャンバーを設置しHeを11/minで実験の間導入した。X線回折データはシンクロトロンCTおよび粒子表面の電子顕微鏡観察の結果もとに選択した20粒子から収集した。これらの試料の平均サイズは77μm。最小径で30μm、最大径で190μmであった。露光時間は試料体積に応じて変えたが600~9000秒であった。2θ=60度までの範囲から回折強度データを収集した。 得られた粉末回折試料はピーク指数付けにより鉱物相の同定を行うとともに、微粒子に含まれるの斜長石の地質温度計を用いて結晶生成温度の推定を実施した。この地質温度計は斜長石の格子定数から結晶化温度を推定する手法で阻石中のコンドライトの生成温度推定にも利用されている。この温度計には斜長石の2本のX線回折ピーク位置の差を求める必要がある。今回の微粒子より得られた粉末回折図形では斜長石の回折ピークはカンラン石や輝石の回折ピークと重なることが多かったが、我々のガンドルフィカメラの高い角度分解能により5個の微粒子から斜長石地質温度計が適用できる良質の回折図形を得ることができた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Itokawa dust particles : A direct link between S-type asteroids and ordinary chondrites2011
Author(s)
Tomoki Nakamura, Takaaki Noguchi, Masahiko Tanaka, Michael E. Zolensky, MakotoKimura, Akira Tshuchiyama, Aiko Nakato, Toshihiro Ogami, Hatsumi Ishida1, Masayuki Uesugi, Toru Yada, Kei Shirai, Akio Fujimura, Ryuji Okazaki, Scott. A. Sandford, Yukihiro Ishibashi, Masanao Abe, Tatsuaki Okada, Munetaka Ueno, Toshifumi Mukai, Makoto Yoshikawa, Junichiro Kawaguchi
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Journal Title
Science
Volume: 333
Pages: 1113-1116
Peer Reviewed
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