2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540500
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 貴司 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究主幹 (40329579)
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Keywords | 統合国際深海掘削計画 / 太平洋中央海嶺 / マグマ / シャツキー海台 / ハンレイ岩 / 巨大火成区 / 玄武岩 / マントル |
Research Abstract |
本研究では海洋底の超巨大火山である太平洋中央海嶺(中来西方沖)およびシャツキー海台(日本東方沖)を対象として溶岩や貫入岩の記載および分析を行う.そして溶岩の溶融実験を行い,未だ明らかになっていない地下でのマグマの分化過程を解明する予定である.平成22年度は主に太平洋中央海嶺の溶岩と貫入岩の記載および鉱物と全岩の化学分析を行った.その結果,溶岩(地表へマグマが噴出して固化したもの)は貫入岩(地下でマグマが固化したもの)よりも密度が低く、噴出しやすい条件であったこどが判明した.さらにマグマ溜まり内では,冷却によりマグマが徐々に分化する時期と,新しいマグマが下から注入されてマグマが未分化へと一気に戻る時期が繰り返していることが明らかとなった.溶融実験に関しては,平成21年度に購入した常圧(100kPa)の管状溶融炉(雰開気式高温急冷分析装置)が存在したが,酸素雰囲気を制御する水素発生装置が存在しなかったため.これを平成22年度に購入した.これにより酸素雰囲気を制御した溶岩の溶融実験をすることが可能となった.溶融実験の出発物質としては,統合深海掘削計画(IODP)第312次航海(平成17年に実施)の際に掘削されたハンレイ岩を用いた.制御した酸素雰囲気はQMF,温度は1170~1200℃で複数回実験を行った また,シャツキー海台の岩石に関しては,私は平成21年9月~11月に実施されたIODP第324次研究航海に共同主席研究者として参加したため,数十個の溶岩を研究用に持ち帰ることがでぎた.平成22年度は,これら岩石の記載および全岩化学分析を行った.また,予算の一部には,この航海のために必要な研究打合せや研究成果発表のために使用した
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Shatskv Rise formation2010
Author(s)
Sager, W.W., T.Sano, J.Geldmacher, the IODP Expedition 324 Scientists
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Journal Title
Proceeding of the Integrated Ocean Drilling Program
Volume: 324
Pages: doi : 10.2204/iodp.proc.324.2010
Peer Reviewed
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[Journal Article] Massive basalt flows on the southern flank of Tamu Massif, Shatsky Rise : a reappraisal of ODP Site 1213 basement units2010
Author(s)
Koppers, A.A.P., T.Sano, J.H.Natland, M.Widdowson, R.Almeev, A.R.Greene, D.T.Murphy, A.Delacour, M.Miyoshi, K.Shimizu, S.Li, N.Hirano, J.Geldmacher(the Expedition 324 Scientists)
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Journal Title
Proceeding of the Integrated Ocean Drilling Program
Volume: 324
Pages: doi: 10.2204/iodp.proc.324.109.2010
Peer Reviewed
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