2011 Fiscal Year Annual Research Report
イオンサイクロトロン周波数帯波動のパラメトリック減衰に関する研究
Project/Area Number |
21540506
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
市村 真 筑波大学, 数理物質系, 教授 (10151482)
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Keywords | ICRF / 波動 / ハラメトリック減衰 |
Research Abstract |
イオンサイクロトロン周波数帯(ICRF)でのプラズマ生成・加熱のため外部から励起するICRF波動、また、主成分イオンの速度分布関数裾野部への高エネルギーイオンの重畳(Bump on tail)に起因してプラズマ中に自発励起される波動等を統一的に理解し、イオンとの相互作用や波動間の分岐・結合現象を解明することを全体の目的としている。平成23年度は、GAMMA10で特徴的に観測されるアルベンイオンサイクロトロン(AIC)波動の詳細な空間構造とその時間発展を調べることを目的として、新たにマイクロ波反射計を導入し、プラズマ内部領域における高周波波動の計測を行った。ICRF波動やAIC波動、また、それらの結合と分岐が密度揺動として観測されることを確認した。パラメトリック減衰の候補としては、加熱ICRF波動がAIC波動とその差周波数に分岐することを考えている。これまでに方位角方向2か所に設置された磁気プローブ信号間位相差から方位角方向のモード数を評価した。磁気プローブと高周波アンテナ間にはイオンサイクロトロン共鳴層が存在し、加熱に寄与するアルペン遅波は、共鳴層を越えて伝播できず、共鳴を持たないm=+2の速波が計測されている。AIC波動に関しては、これまでと同じく、離散する周波数ピークによらずにm=-1付近に観測される。低周波数領域の差周波数揺動のモード数に関しては、対応するそれぞれの差周波数揺動の方位角方向のモード数が時間とともに、また、その変化するモード数はピークによって異なることが明らかとなっている。時間とともにモードが変化することは、幾つかの異なるモード数を持った波動が共存し、その相対的強度を変化させながら励起されることを示している。反射計を用いたプラズマ内部における密度揺動計測からより詳細な解析を進めている。また、磁力線方向に並べたマイクロ波ホーンによる磁力線方向の波数に関しても、蓄積されたデータの解析を進めているところである。これまでにICRF領域の波動をマイクロ波反射計を用いて計測した例は少なく、特に自発励起波動の空間構造まで議論したものはない。
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