2009 Fiscal Year Annual Research Report
可変波長スペクトルカメラによるプラズマイメージング分光の開発とその応用
Project/Area Number |
21540507
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
門 信一郎 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 准教授 (10300732)
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Keywords | 液晶リオフィルタ / 衝突輻射モデル / ダイバータプラズマ / イメージング分光 / 画像計測 / MAP-II / ダイバータ模擬装置 / スペクトル線強度比法 |
Research Abstract |
プラズマからの輝線スペクトル強度比を用いた分光診断は,絶対感度較正を必要とせず(波長相対感度のみ),衝突輻射モデルと組み合わせることで電子密度および電子温度を推定する有用な方法である.その手法として,従来グレーティング分光器による空間有限点のスペクトルを得る発光分光法か,あるいは干渉フィルタによる単一波長のイメージング計測が用いられてきた.本研究では両者の欠点を補う計測法として可変波長液晶リオフィルタによる分光イメージング法を提案し,その適用可能性を検討している. 主な開発要素は(i)多波長のイメージング計測を可能とするシステムの開発,(ii)原理検証として、線強度比の空間分布の高精度計測,及び(iii)輻射捕獲を考慮した衝突輻射モデルへの適用による自己完結型の定量的分光イメージング診断の実現である. 適用に際し,干渉フィルタに比べ半値幅が広いため,近接する明るい輝線による対象輝線への混濁に注意を要する.さらに,ある設定波長時に別の波長が透過してくる「バンド外漏れ光(リークバンド)」が存在することが確認されており,広域の波長フィルタを組み合わせる,漏れ光が確認される領域を避ける等の対策が必要であることことを示した.原因は各ユニットの設置誤差によるものと推測している.本年度は,この制限下で,核融合生成物としてプラズマの周辺部に存在するヘリウム原子に着目し,測定可能な輝線の選定,およびその感受性(複数輝線の強度比から電子密度・電子温度を求めるための衝突輻射モデルへの収束特性)を調べた.これによって,液晶リオフィルタを用いたヘリウム含有プラズマのイメージング分光が可能であることが示された.
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