2012 Fiscal Year Annual Research Report
電子温度・密度および分子振動・回転温度計測のための水素分子衝突輻射モデルの構築
Project/Area Number |
21540508
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
澤田 圭司 信州大学, 工学部, 教授 (40262688)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水素分子 / 衝突輻射モデル / 振動状態 / 回転状態 / プラズマ診断 |
Research Abstract |
我々は、水素分子の発光線解析や中性粒子輸送コード中の各種の水素分子反応速度係数の算出のため、水素分子衝突輻射モデルの開発を進めている。従来は、電子・振動状態だけを区別していたが、回転状態に大きく依存する反応を扱うため、本研究では、さらに回転状態を考慮したモデルの構築を進めている。 昨年度まで考慮していた電子・振動・回転状態は、主量子数nが4以下の2131の状態であった。今年度、n=6までの4133の状態を組み込む拡張を行った。これにより、高電子密度の核融合プラズマで見られるはしご様励起が考慮できるようになった。 次にモデルの検証のため、我々の研究室で放電実験を行った。ヘリウム原子発光線強度から電子温度・密度を算出するために水素ガスにヘリウムガスを混合してRFプラズマを生成し、エシェル分光器を用い、380 nm - 800 nmの分光計測を行った。ヘリウム原子発光線強度から得られた電子温度・密度をモデルに与えて水素分子スペクトルを計算し、実験のスペクトルと比較した。 分子発光線の波長は、実験と計算で僅かではあるがずれが見られたため、過去の文献を精査して、モデル中の各準位のエネルギー値を最新のものに更新した。その結果、計測された分子スペクトルの上準位・下準位の特定が多くのラインで可能になった。 Fulcherバンドとトリプレットb状態に遷移する連続光の強度は、計算は概ね実験を再現した。これらの相対的な強度分布を、電子温度を変えて計算したところ、実験でも識別できる程度変化し、分子発光線強度から電子温度を算出できることが示された。これら以外の分子発光線の強度は、500 nm より長波長側では、まずまず計算は実験を再現しているが、短波長側では計算は実験よりあきらかに小さな値になっている。励起断面積等の検討を今後進めていく。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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