2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540509
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
豊田 浩孝 Nagoya University, 工学研究科, 教授 (70207653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石島 達夫 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (00324450)
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Keywords | シュタルク効果 / 大気圧プラズ / 電界計測 / 電子密度計測 / 発光分光 |
Research Abstract |
大気圧プラズマは、真空システムを用いないなど、従来のプラズマ源にない利点を有しており、表面処理などさまざまな分野への応用が進められている。また、それにともない本プラズマのプラズマ密度等の基礎的なプラズマ特性評価について高精度な計測手法が求められている。大気圧プラズマの電子密度測定法としては一般にシュタルク拡がりから算出する手法が用いられているが、本研究代表者らは、その時分解測定において放電時に印加される外部電界がシュタルクスペクトルの拡がりに影響を及ぼす可能性を指摘してきた。本研究はこの点に着目し、外部電界のスペクトル拡がりおよび密度測定に及ぼす影響を実験的に明らかにするとともに、より高精度なプラズマ密度測定法の指針を得ることを目的とする。 本年度は、スペクトルに対する電界の影響を評価する方法として、電界に対して平行および垂直方向のH_βスペクトル偏光面それぞれに対するスペクトル分裂の違いを利用した電界計測を試みた。まず、放電印加電界方向に対して、平行および垂直方向に偏光面を持つHβ線のスペクトル分裂の違いを計算し、電界強度が10^6V/m台以上になると、電界に対する垂直及び平行な偏光面を持つスペクトルの間に大きな違いが現れることを確認した。この結果を基に、大気圧マイクロ波プラズマにおいて両者のスペクトル拡がりの違いを測定したところ、放電開始初期1μs以下においてスペクトル線幅の違いを確認することができた。さらに、本手法により電界強度の時間変化を求めたところ、放電開始直後に強い電界強度がプラズマ生成の時間発展とともに急激に減少していくことを示すことができた。これらの結果は、本研究の当初目的のひとつであるスペクトル線幅に対する電界の影響を実証できたことを意味しており、本年度は本研究の大きな成果の一つを得ることができた。
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