2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540510
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
樋田 美栄子 Nagoya University, 大学院・理学研究科, 助教 (00273219)
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Keywords | 無衝突衝撃波 / 粒子加速 / 粒子シミュレーション / 不安定性 / 粒子捕捉 |
Research Abstract |
磁化プラズマ中の無衝突衝撃波の伝播と電磁場の構造形成ならびに粒子の加速を、相対論的電磁粒子シミュレーションを用いて研究している。今年度は、外部磁場に対して斜め方向の伝播する衝撃波による電子の加速とイオンの加速について、次の成果を得た。 1)外部磁場が強い場合、斜め衝撃波は一部の電子を捕捉し、超相対論的エネルギーに加速することができる。その捕捉電子が衝撃波中の電磁場に及ぼす効果を、相対論的電磁粒子シミュレーションを用いて調べた。そして空間が1次元の場合は、捕捉粒子自らが作る電磁場によって、捕捉はより安定化することを明らかにした。さらに空間を2次元に拡張すると、捕捉電子が作る波面方向の電磁場揺動によって、電子が高エネルギー状態を保ったまま衝撃波から解放される場合があることを見出した。そして解放粒子の一部は、衝撃波によって追加速を受け、さらに高いエネルギーになり得ることが分かった。 2)熱的イオンと斜め衝撃波との相互作用を粒子シミュレーションで調べ、衝撃波の伝播角が45度に近い場合は、熱的イオンの一部が複数回の加速を受けることを見出した。そして、加速イオンの最高エネルギーについての理論を作り、その理論がシミュレーション結果を説明することを確認した。さらに、2次元シミュレーションを用いて、加速イオンが引き起こす不安定性を調べ、ホイッスラー波不安定性が、衝撃波の電磁場の多次元構造や電子の運動に重要な影響を及ぼすことを示した。
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