2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21540512
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
東辻 浩夫 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40011671)
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Keywords | 強結合微粒子プラズマ / 臨界現象 / 臨界揺動 / 微小重力実験 |
Research Abstract |
1 強結合微粒子プラズマの臨界揺動について詳細な結果を公刊するとともにELGRAなどの国際会議および学会において発表して討論を行った。また,臨界点付近を実験において実現するための具体的な実験条件について,微粒子の半径,ガスの種類に対する依存性などを広く探索した。さらに,プラズマ内の反応に対する密度揺動の効果については基礎的な解析を行い,対象となる反応の候補を探索した。 2 実験における密度揺動の観測に関して,シート状のレーザービームによる2次元的な揺動スペクトルの観測結果と3次元の真の揺動スペクトルとを結びつける公式を得た。また,3次元湯川系のシミュレーションにより公式を実証した。 3 国際宇宙ステーション(ISS)のロシア棟において,ロシアのJoint Insbitute for High TemperaturesとドイツのMax Planck Institute for Extraterrestrial Physicsが行っている実験に,本研究に基づく実験を提案し,ISSの実験スケジュールに組み込まれ,複数回実施された。データの解析は終わっていないが,臨界点そのものには達しないものの,臨界点付近の密度揺動の増大が観測可能な領域に対するデータが得られた可能性がある。 4 15,000程度の粒子を含む系について,モンテカルロ法および分子動力学法による数値シミュレーションコードを開発した。相互作用を湯川型としてシミュレーションを実施し,知られている結果が得られることを確認した。 5 微粒子プラズマに臨界点が存在する原因として,本研究を含め,これまで知られていたものの他に,微粒子がプラズマ中に浮遊する過程を微粒子のプラズマへの融解と捉えることにより,新たな可能性があることが示された。
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