2010 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞への高効率なx線照射を実現する光源一体型試料ホルダーの開発
Project/Area Number |
21540517
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
加道 雅孝 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究副主幹 (30360431)
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Keywords | 軟X線顕微鏡 / 極薄膜ターゲット / レーザープラズマ / 水の窓 / 生きたままの細胞 / X線瞬間撮像 |
Research Abstract |
金の極薄膜ターゲットに関西光科学研究所の所有するパルス幅600ps、波長1.053μm、出力20JのNd:glassレーザーを集光照射して水の窓波長X線を発生させ、実際にX線を細胞に照射することによりX線瞬間撮像の実証実験を行った。 X線瞬間撮像で得られた細胞の細胞内器官を特定するために、同一細胞の軟X線像と蛍光像を取得し直接比較を試みた。細胞を窒化シリコン簿膜上に直接培養し、特定の細胞内器官を染色する蛍光染色を施した後、蛍光顕微鏡により観察を行った。蛍光色素として、アクチンフィラメントを特異的に染色するファロイジンとミトコンドリアを特異的に染色するマイトトラッカーを用いた。蛍光像を取得後、細胞を試料ホルダー内に封入しX線照射を行った。得られた軟X線像をあらかじめ取得しておいた蛍光顕微鏡像と直接比較することにより、軟X線像で得られた細胞内構造がどの細胞内器官に対応するのかを調べた。その結果、アクチンフィラメントとミトコンドリアを正確に特定することに成功した。この実験によって、金の極薄膜ターゲットを用いて発生した水の窓波長軟X線による細胞のX線瞬間露光によって細胞内器官の撮像が十分可能であることがわかった。
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