2011 Fiscal Year Annual Research Report
光機能分子-蛋白質ナノコンポジット系のレーザー誘起励起状態ダイナミクス
Project/Area Number |
21550020
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
蔵脇 淳一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科(理学系), 教授 (10170078)
|
Keywords | ポルフィリン / タンパク質 / ナノコンポジット / ナノスケール / 励起状態ダイナミクス / レーザーアブレーション / コンフォメーション / 電子移動反応 |
Research Abstract |
高効率な人工光合成モデル系の構築を目指して、レーザーブレーション法を用いて光機能分子-タンパク質ナノコンポジット系を創製し、光合成反応中心内に存在するクロモフォアー間の電子移動反応機構を解明するために分光研究を行ってきている。最終年度である平成23年度は、ポルフィリン分子-ポリペプチドからなるナノバイオマテリアルの創製をレーザーアブレーション法を用いて行った。そしてさらには、TEM・SEM画像、吸収スペクトルおよびFTIRスペクトルを測定することにより創製したナノコンポジットのキャラクタリゼーションを行うとともに、それらの系について分光研究を行った。 ○レーザーアブレーション法を用いた光機能分子-蛋白質(ポリペプチド)複合体粒子の固定化に成功し、その表面増強FTIRスペクトルを測定したところ、金属ポルフィリンとポリヒスチジンが分子間で相互作用し、そのコンフォメーションが規則構造を有して固定化されるという極めて興味ある結果が得られた。 ○ナノコンポジット系での分子間光化学反応が極めてスムースに進行することを蛍光消光実験からはじめて見出し、その電子移動機構を解明することができた。またその効率はポリペプチドのコンフォメーション2次構造)に強く依存していることを見出した。 ○レーザーアブレーション法を用いて蛍光プローブー金ナノロッドーポリペプチド複合系を構築することに成功した。新たな分子集合体系の反応場が構築できたものと期待され、プラズモン誘起電子移動に関する分光研究を行い、新規な光化学反応に関する分光測定データが得られるものと期待される。
|
Research Products
(9 results)