2009 Fiscal Year Annual Research Report
定量位相顕微鏡による石鹸薄膜中における非平衡模様の生成と成長の研究
Project/Area Number |
21550023
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Research Institution | Hiroshima City University |
Principal Investigator |
藤原 久志 Hiroshima City University, 情報科学研究科, 講師 (40264949)
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Keywords | 石鹸膜 / 定量位相顕微鏡 / 超薄膜 / 非平衡 / 高速度カメラ |
Research Abstract |
本研究では非平衡条件下にある石鹸薄膜中に生じる模様生成および成長機構の解明を目指し、平成21年度は主として石鹸膜形成・定量位相顕微鏡観測装置の開発を行った。 右鹸膜を作製・保持する金枠の位置制御に精密さと再現性を加えるために、4台の自動ステージを導入した。それぞれのステージの役割は以下の通りである:(1) 1台の垂直移動ステージは、石鹸水に金枠をつけ、引き上げる動きで石鹸膜を形成させる:(2) もう1台の垂直移動ステージと2台の水平移動ステージにより、石鹸膜の撮影位置(垂直方向および水平方向)を調節する。これら4台のステージを、自作ソフトウェアによりコンピュータ制御可能にした。 定量位相顕微鏡観測装置は、光源をHe-Neレーザー(633nm)とし、既存の金属顕微鏡に申請備品の定量位相イメージングユニット(以下、QPIと略)を組み込み構成した。金属顕微鏡には、二つの撮影用ポートがあり、一方にQPI+高速度カメラ(640×480画素・200枚/秒)を装着した。そして、他方のポートに同じ仕様の高速度カメラを装着し、落射照明(405nm)による反射干渉画像を取得可能にした。後のデータ解析を容易にするため、二つのカメラの撮影タイミングは200Hzの外部同期信号により一致させている。ハードディスクを利用した画像記録装置(自作)により、定量位相顕微鏡画像と反射干渉画像を長時間同時記録可能とした。 試作した石鹸膜形成・定量位相顕微鏡観測装置で、試験的なデータ取得を行い、光学系の調整と共に定量位相顕微鏡画像(干渉縞画像)から「試料透過による位相遅れ」を算出する解析ソフトウェアの作成を進めている。
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