2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550026
|
Research Institution | Otani Womens University |
Principal Investigator |
谷本 能文 Otani Womens University, 薬学部, 教授 (10110743)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
錦織 理華 大阪大谷大学, 薬学部, 助教 (50434808)
|
Keywords | 磁場効果 / 磁気科学 / 不均一反応 / ベルーゾフージャボチンスキー反応 / シリカコロイド |
Research Abstract |
最近、磁気科学が注目を集めている。しかしながら、不均一化学反応に関しては、ほとんど研究されておらず、今後重点的に研究をすすめる必要がある。本研究では、代表的な不均一系化学反応について、最大15T、1500T^2/mの磁場がどのような影響を与えるか、速度論的研究等を通して解明することが目的である。 21年度は、「コロイドシリカ生成反応」と「ベルーゾフ-ジャボチンスキー反応」について4T,50T^2/mの強磁場の影響について研究した。前者では、磁場中で反応溶液の吸光度の時間変化を測定し、コロイドの初期生成速度について検討した。その結果、(4T,0T^2/m)と(0T,0T^2/m)のときの生成速度の比は1.03、(2.5T,+93T^2/m)と(0T,0T^2/m)のときの生成速度の比は1.01となり、有意な差は見られなかった。後者では、磁場中その場観察システムにより、フェロインを触媒として使い、垂直下方に進行する一次元の化学波先端の進行速度に対する影響を検討した。その結果、進行速度は、0.11(0T,0T^2/m)、0.27(2.5T,-93T^2/m)、0.07(2.5T,+93T^2/m)、0.11mm/s(4T,0T^2/m)となり、進行速度が最大約2.5倍大きくなるという大きな磁場効果がみられた。これらの磁場効果は反応溶液に対する磁気力により概略説明された。今後は、前者については磁場の影響が明瞭にあらわれると考えられる最大15T、1500T^2/mの磁場を使った実験を行う予定である。また、後者については、水平磁場を使うなど種々の条件下で実験を行い、磁場効果の機構を詳細に解明する予定である。
|