2010 Fiscal Year Annual Research Report
分子機能制御を目指した多重入力、多重出力型応答機能分子の創出
Project/Area Number |
21550031
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
伊東 俊司 弘前大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10213042)
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Keywords | 合成化学 / 酸化還元系 / 電気化学 / 相転移 / イオン認識 |
Research Abstract |
複数の異なる外部刺激(入力)に応答し、異なる出力を与える多重応答機能分子は、1つの分子に同時に2つ以上の機能を持たせる困難さとこのようなシステムに要求される高い耐久性から、明確な設計指針はこれまで見出されていない。本研究課題では、第1の応答機能に電気化学的な応答機能を用いて、また、第2の応答機能として、熱的な刺激に対する応答機能ならびに金属イオンとの超分子構造の形成に基づく光応答機能などを用いて、分子状物質の応答機能が、第2の応答機能により制御された多重入力、多重出力型応答機能分子の構築を目指して検討を行った。 熱的な刺激に対する応答機能との複合化については、長鎖アルキル基の置換した酸化還元活性なアズレン末端基を複数個結合することにより、完全なホメオトロピック配向を示す特異なディスコチック液晶相の発現と電気化学的な応答機能を併せ持つことが期待される新たなアズレン誘導体を合成することに成功した。また、ディスコチック液晶相の中でも流動性の高いディスコチックネマチック液晶相の発現を目指した検討を行った。また、酸化還元活性な蛍光性の発色団として、ポリフェニレン骨格の構築を検討してきた。今後、目的のポリフェニレン骨格の構築を達成すると共に、酸化還元機能ならびに光応答性機能との多重応答機能について探求していく。さらに、電気化学的な応答機能とナノ構造体の形成との多重応答機能の発現を目指して、生成するポリフェニレン骨格から、化学合成によるカーボンナノチューブセグメントの構築について検討を進めていく。さらに、第2の外部刺激として溶媒の液性や極性に依存するハロクロミズムやソルバトクロミズムなどとの複合化を適応する領域の拡張を目指して検討を加えて行く。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Synthesis and Liquid Crystalline Behavior of Azulene-based Liquid Crystals with 6-Hexadecyl Substituents on Each Azulene Ring2010
Author(s)
K.Nakagawa, T.Yokoyama, K.Toyota, N.Morita, S.Ito, S.Tahata, M.Ueda, J.Kawakami, M.Yokokawa, Y.Kanai, K.Ohta
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Journal Title
Tetrahedron
Volume: 66
Pages: 8304-8312
Peer Reviewed
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