2010 Fiscal Year Annual Research Report
1,3-双極子の高次立体制御法の開発と光学活性複素環化合物合成への応用
Project/Area Number |
21550038
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
宇梶 裕 金沢大学, 物質化学系, 教授 (80193853)
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Keywords | 1,3-双極子 / 不斉付加環化反応 / 光学活性複素環化合物 / 酒石酸エステル / アゾメチンイミン / 光学活性ピラゾリジン / 光学活性4-イソオキサゾリン / N-(プロパルギル)ヒドロキシルアミン |
Research Abstract |
1,3-双極子は不斉付加環化反応等により有用な光学活性複素環化合物が合成できるにもかかわらず,効率的立体制御法は未確立であった。本研究では,「キラル環境にある金属複数による1,3-双極子の高次立体制御」というコンセプトに基づき,不斉付加環化反応等による光学活性複素環化合物合成法を革新することを日的とし,特に協奏的および段階的不斉付加環化反応において両者の特徴を活かした革新的手法の開発を試みた。 [1]アゾメチンイミンの不斉1,3-双極子付加環化反応 化学量論量の酒石酸エステルのマグネシウム塩由来の複核キラル環境で,これまでのアリルアルコールに代えてホモアリルアルコールへのアゾメチンイミンの不斉付加環化反応について検討したところ,小上なんちお選択的に反応が進行することを見出した。特に,酒石酸エステルの量を触媒量(0.2当量)に減らした場合には,アリルアルコールよりも高いエナンチオ選択性が実現できることを見出した。この理由として,1,3-双極子として用いたピラゾリジノン骨格を有するアゾメチンイミンのカルボニルがマグネシウム金属に配位しているために,求1,3-双極子剤のオレフィン部位ともう一つのマグネシウム金属との距離が,一炭素長いホモアリルアルコール方が適切であることが挙げられる。 [2]ニトロンを用いる段階的不斉付加-環化反応 ニトロンへの亜鉛アセチリドの不斉求核付加生成物であるN-(プロパルギル)ヒドロキシルアミンから4-イソオキサゾリンへの環化について,金属塩の効果を詳細に調べたところ,触媒量のホウフッ化銀が効果的であることを見出した。
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Research Products
(23 results)