2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロタキサンを利用した動的空間創出:気体の選択的輸送と分子格子の創製
Project/Area Number |
21550039
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
徳永 雄次 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80250801)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 寧 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60242484)
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Keywords | 自己組織化 / 超分子化学 / 分子認識 / ナノ材料 |
Research Abstract |
1. 気体選択的透過膜の創製:前年度に引き続き、ポリエチレングリコール(PEG)を高分子主鎖(軸部)に用い、また環部にα-シクロデキストリン(CD)を有するポリロタキサンのワンポットでの合成を行った。種々検討した結果、PEGとCDとを長時間水中にて混合するとロタキサンの収率及び導入率の向上が見られた。得られたポリロタキサンを用いた高分子膜に関しては、現在まで十分な強度を有していない。今後、保持体を用いた高分子膜を用い、窒素・酸素・二酸化炭素に対する気体透過性について検討する予定である。 2. 化学的な刺激に応答するロタキサンの合成:‘分子コネクタ’による空間変動可能なロタキサンシステム合成の予備検討として、異なる2種のアミン部を持つ[2]ロタキサンを合成し、液性変化に対するスイッチングの検討を行なった。その結果、2個のステーション部でありながら、液性変化に対し3状態のスイッチングを達成した。また、それらの状態変化をUVスペクトル測定で、簡便に感知できるシステムの構築も達成した。 3. 共役系軸部を持つロタキサンの合成:共役系を軸部に持つロタキサンの合成を達成し、それぞれの部位間に働く相互作用の相違や構成部位間の距離によって、共役部の吸収スペクトルに変化が観測され、またこれらの違いを分子計算によって考察し、実測値と計算値の良い一致を得た。一方、ロタキサン構成部の相互作用の検討を電気化学的な方法にて行なったところ、軸部と環部に導入した共役部の相互作用による効果も観測された。同時にレドックス反応時、環・軸間の相互作用の変化が観察され、今後分子コネクタの一部として用い場合の、格子間空間変動の刺激の一つに電気化学的手法を利用できることを示した。
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Research Products
(13 results)