2009 Fiscal Year Annual Research Report
螺旋自己組織化と階層的自己集積化による高次構造形成と機能発現
Project/Area Number |
21550041
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
大北 雅一 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (60211786)
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Keywords | 螺旋構造 / 自己組織化 / 階層的集積化 / 超分子化学 / オリゴマー / 複素環 / π電子系 / 分子プログラミング |
Research Abstract |
本研究では、ポリペプチドの水素結合に基づくα-ヘリックス構造の形成と類似した、しかし異なる原理に基づく分子内自己組織化による螺旋形成と、さらなる分子間自己集積化による階層的高次構造形成を、人工的な機能性π電子系を構成単位として、独自の分子プログラミングに基づいて達成することを目的としている。すなわち、自己組織化を組み込んだ新しい物質構築原理の確立、複数の非共有結合性相互作用の共存・精密制御による高次構造形成、構造特異性と高次構造性および電子的特性に基づく新機能開発、を目指す計画である。本年度は、ピリジンーピリミジン交互ストランドの周辺部にアルキル長鎖を配した誘導体を合成して、その階層的自己集積化を検討したところ、HOPG基盤上で螺旋構造が二次元配列することを確認した。この研究成果は、二件の学会発表として報告した。次年度は、この階層的二次元自己集積化に関する知見を深めるとともに、さらに三次元的自己集積化に発展させ、動的螺旋構造が積層した新奇なデスコチック液晶相の発現を目指す。本年度は、また、螺旋性誘起能を持つ新たな構造モチーフとして、1,3,4-オキサジアゾール、チエノ[3,4-b]ピラジン、1,2,3-トリアゾール部分が、ピリジン環の2,6-位と交互に連結した構造を持つ人工オリゴマーの精密合成法を開拓することを目指したが、1回転以上の螺旋自己組織化分子を合成するには至らなかった。この点についても、次年度、検討を継続する予定である。
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