2009 Fiscal Year Annual Research Report
蒸留可能なメソイオン型イオン液体の創製と高極性反応媒体としての特性の研究
Project/Area Number |
21550042
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒木 修喜 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 教授 (30115670)
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Keywords | イオン液体 / 高極性液体 / インジウム反応剤 / メソイオン / 反応媒体 |
Research Abstract |
1.効率的なメソイオン液体の合成方法の確立 メソイオン液体として1,3-ジアルキルテトラゾリウムオレートの効率的な合成方法の確立を目指して研究を行った。その結果、合成反応の各段階での最適反応条件を確立するとともに、分離、精製法の簡略化と効率化に成功した。これにより、従来法と比べて高効率かつ高収率で目的物を得るプロセスを確立した。 2.イオン液体中における有機インジウム反応剤の調製と反応 これまでにインジウム反応剤は、ハロゲン化アリルと金属インジウムとの直接反応、あるいはパラジウム-インジウムの酸化還元的トランスメタル化などで調製してきた。これらの手法がイオン液体中でも適用できるか否かを研究するとともに、イオン液体中でのインジウム反応剤の反応挙動について初めて詳細に研究した。その結果、イオン液体中でインジウム反応剤がアルデヒドを効率よくアリル化することを見出すとともに、イオン液体中では本反応が通常の有機溶媒中よりも格段に加速されることを認めた。さらに、イオン液体中ではルイス酸の酸性度が増大する現象が見出され、有機溶媒中では生成しない物質が得られるなど、イオン液体を反応媒体とする特異的な結果を得た。また、目的生成物は有機溶媒によって簡便に反応混合物から抽出でき、イオン液体は繰り返し再利用できることも確認した。
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Research Products
(2 results)