2011 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性ポリマー担持試薬を用いる環境調和型新規合成反応の開発
Project/Area Number |
21550051
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
松本 一嗣 明星大学, 理工学部, 教授 (90260215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
町並 智也 明星大学, 理工学部, 教授 (50247160)
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Keywords | ポリマー / 可溶性試薬 / 環境調和型反応 |
Research Abstract |
本研究では、反応試薬をポリマー、特に可溶性ポリマーに担持させることで、回収・再使用容易な環境調和型反応を開発するのが目的である。昨年度までに可溶性ポリマー担持試薬の合成法をある程度確立することができ、又、実際にいくつかの試薬をこうちくすることができた。そこで、可溶性ポリマー担持試薬の可能性を探るために、新たな可溶性ポリマー担持試薬め合成と、応用反応の最適化を目指した。具体的には、(1)ABNO誘導体を担持した新規酸化剤の合成、および、(2)可溶性ポリマー担持試薬によるアルコールの立体反転反応の条件検討である。 まず、従来用いてきたTEMPOよりも高い酸化活性を有する9-azabicyclo[3.3.1]nonaneN-oxyl(ABNO)誘導体を担持した酸化剤の合成に着手した。アセトンジカルボン酸にグルタルアルデヒドとベンジルアミンを縮合させた化合物に対し、3工程の変換を行った後、水酸基を含むABNO誘導体を合成した。これとPEGとのカップリング法を種々検討した後、末端をカルボキシル基で修飾したPEGとのカップリングにより、PEG担持ABNOを合成することに成功した。この新規酸化剤は、従来のPEG担持TEMPOよりも短時間で第一級、第二級アルコールを酸化することができた。 通常アセチル体を酵素的に光学分割した際、最終的にはアセチル体とアルコール体を分離しなければならず、この分離操作に手間や多くの有機溶媒が必要になる。そこで、酵素反応後の生成混合物に対し、末端にカルボキシル基を導入したPEG誘導体による光延反応の条件下で反応を行うと、立体反転で捕捉することができる。この反応を精査したところ、試薬の当量が反応の完結には重要な役割を有していることがわかった。また、反応で捕捉したアルコールは、容易に回収でき、使用した修飾PEGも再利用できた。
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Research Products
(2 results)