2009 Fiscal Year Annual Research Report
配座変化感応型ジオキセタンを用いた新しい化学発光プローブの開発
Project/Area Number |
21550052
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
渡邉 信子 Kanagawa University, 理学部, 助教 (40291744)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 正勝 神奈川大学, 理学部, 教授 (10260986)
|
Keywords | 分子認識 / ジオキセタン / 発光プローブ / 化学発光 |
Research Abstract |
本研究はCTID(Charge-transfer-induced decomposition,電荷移動誘発分解)により発光するジオキセタンの化学発光プローブとしての可能性を探るものであり、次の3種のプローブ、(1)分子認識プローブ、(2)金属イオンプローブおよび(3)溶媒極性評価プローブの開発を目的としている。21年度は各プローブの候補となるジオキセタン骨格の選定を含めた基礎検討を行った。分子認識プローブ開発としては、配座異性体間で発光特性の異なるN-置換ジオキセタンでの検討を行なった。すなわち、ジオキセタンの前駆体となるジヒドロピロールの合成法に関する検討を行い、N-イミダゾイルカルボニル置換体を合成し、N-位置換基変換のための汎用性の高い鍵中間体と成りうるかについて検討を開始した。このイミダゾイルカルボニル置換体からクラウンエーテルユニットを導入したジオキセタンを合成し、その基礎的な発光特性を調べた。金属イオンプローブ開発としてクラウンエーテルユニットとなるグリコール鎖-[CH_2CH_2 (OCH_2CH_2)n]-を導入したビナフチル置換ジオキセタンについて検討を行ない、グリコール鎖のサイズと、塩基として用いたt-BuOM(M=アルカリ金属)の違いにより発光色調が変化することがわかった。(3)の目的には4位にベンゾチアゾリル基を有する3-ヒドロキシフェニル置換ジオキセタンが合致しており、極性溶媒中SPD(solvent-promoted decomposition)により溶媒の極性に対応した発光を示すことをすでに報告している。21年度は、双環性ジオキセタンの5位のt-Bu基をi-Pr,Et,Meさらには無置換体へと変化させたジオキセタンを合成し、その塩基誘発分解と熱分解との相関を詳細に調べた。また、双環性ジオキセタンの2位をS原子に置き換えた新規硫黄置換ジオキセタンの合成を行い、その熱安定性と発光特性について調べた。
|
Research Products
(11 results)