2010 Fiscal Year Annual Research Report
チューブ状チャンネルに固有な機能発現を目的とした配位高分子の合成
Project/Area Number |
21550059
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
近藤 満 静岡大学, 機器分析センター, 准教授 (80254142)
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Keywords | チューブ状チャンネル / 外部刺激 / 多孔性配位高分子 / 動的チャンネル / 結晶構造 / 構造変化 / 化学刺激 / 分子吸着 |
Research Abstract |
初年度に合成法を確立した単結晶状態のナノチューブ型金属錯体結晶[Ni(ima)2(MeOH)2]2MeOH(ima=4-imidazoleacetate)を真空条件下130℃で処理することで、この化合物からメタノールが除去された乾燥固体を合成することに成功した。この乾燥固体に対するメタノール蒸気の吸着実験を行ったところ、2段階による吸着過程が明らかとなった。粉末X線回折などの解析から1段階目で、チューブ状チャンネルが再生し、2段階目の吸着はこのチャンネル内へのメタノール分子が取り込まれている過程によるものであることが分かった。 さらに、骨格に酸化還元活性な硫黄原子を有する架橋配位子である4,4'-dipyridylsulfide (dps)を用いてチューブ状チャンネルを有する配位高分子[Ni(dps)2(NO3)2]EtOHの合成と構造決定、並びに機能評価を行った。この配位高分子は温度に応答したチャンネル構造の変化を示し、低温でエタノールなどのゲスト分子をメカニカルに捕捉することが明らかとなった。またこのチューブ状チャンネルが示す構造変化の転移温度に対して高い相関関係があることが明らかとなった。この化合物を真空条件下で130℃で処理することにより、その乾燥固体を得た。この乾燥固体はエタノールに対する選択的な吸着活性を示し、元のチューブ状チャンネルを再生することが分かった。また、[Ni(dps)2(NO3)2]EtOHをメタノールに浸すと、チューブ状チャンネルに捕捉されていたエタノール分子が徐々に放出し、加熱乾燥して得た場合とは異なる化合物が生成することが分かった。
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[Journal Article] Syntheses and Characterization of New Nickel Coordination Polymers with 4,4'-Dipyridylsulfide. Dynamic Rearrangements of One-Dimensional Chains Responding to External Stimuli : Temperature Variation and Guest Releases/Re-Inclusions2010
Author(s)
M.Kondo, H.Takahashi, H.Watanabe, Y.Shimizu, K.Yamanishi, M.Miyazawa, N.Nishina, Y.Ishida, H.Kawaguchi, F.Uchida
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Journal Title
International Journal of Molecular Science
Volume: 12
Pages: 336-339
Peer Reviewed
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