2010 Fiscal Year Annual Research Report
複核有機金属ヒドリド錯体を用いる水中常圧水素による常圧二酸化炭素固定
Project/Area Number |
21550061
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
末延 知義 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90271030)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 水素 / 光物性 / 地球温暖化 / 燃料電池 / 化学燃料 / 有機金属 / 水 |
Research Abstract |
水中において、常圧水素と容易に反応して生成する複核有機金属ヒドリド錯体を用い、常圧水素によって常圧二酸化炭素をギ酸として還元的に固定できる新規な二酸化炭素固定触媒系の構築を目的として研究を行った。 常圧水素との反応を目的とした新規有機金属錯体の合成とギ酸分解触媒としての利用 新規有機金属イリジウム-ルテニウム複核アクア錯体を合成した。これに水素ガスを流通して反応させて、新規複核金属ヒドリド錯体を得た。一連の反応は、水中でのほぼ定量的反応であり、環境負荷が小さいだけでなく、高純度の複核錯体を得ることができる。新規に合成した一連の錯体を触媒として用いてギ酸分解反応を行いることで、選択的な水素同位体生成が可能となった。速度論的重水素同位体効果も観測した。分光電気化学測定により反応中間体を分析同定した。 水中常温常圧条件下での水素による触媒的二酸化炭素固定反応系の構築 新規に合成した水溶性有機イリジウム錯体が、常圧常温の水素により還元されてヒドリド錯体となり、常温常圧条件で二酸化炭素を触媒的に還元してギ酸を生成できることがわかった。アクア錯体を酸塩基により滴定する事で、その吸収スペクトル変化からpK_aを決定した。様々なpHの水溶液中で、触媒的水素発生反応の速度定数、ギ酸生成の速度定数を決定し、ギ酸生成の速度定数が最大となるような至適pHを決定した。
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Research Products
(16 results)