2011 Fiscal Year Annual Research Report
重遷移金属元素の協同効果により発現する新規光物性の創出
Project/Area Number |
21550062
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
馬越 啓介 長崎大学, 工学研究科, 教授 (20213481)
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Keywords | 白金 / ピラゾール / 11族元素 / 混合金属錯体 / 発光 / 金属間相互作用 |
Research Abstract |
我々は,白金と11族の金属イオンからなるピラゾラト配位子が架橋した混合金属錯体が,発光量子収率が高いにも関わらず,EL特性が十分得られない原因の一つとして,これらの混合金属錯体の吸収帯が紫外部にしか存在しないことに注目している。吸収帯を長波長側にシフトさせる方法の1つとして,混合金属錯体中の白金イオンへのジイミン配位子の導入が考えられる。昨年度に引き続き,様々なジイミン配位子を用いて置換基の効果やヘテロ金属イオンの効果を検討した。その結果,ジイミン配位子として2,2'-ビピリジンおよび4,4'-ジメチルー2,2'-ビピリジンを用い,ヘテロ金属イオンとして銀イオンを含む場合に発光量子収率が高くなることが分かった。金イオンや銅イオンを含む混合金属錯体に比べて銀イオンを含む錯体の方が強発光性錯体を与えやすい理由は現時点では不明であるが,経験則として重要な知見が得られたと考えている。また,ジフェニルピラゾールが配位した単核錯体を塩基で処理することにより,ジフェニルピラゾールがシクロメタル化および架橋した二核錯体が2種類生成し,一方の錯体は11族の金属イオンを導入することにより混合金属錯体に変換することが可能であり,もう一方の錯体は,ビス(ジフェニルボスフィノ)メタンのようなホスフィン配位子との反応により,シクロメタル化したジフェニルピラゾールとホスフィン配位子からなる単核白金錯体を与えた。後者の錯体は,有機EL素子への応用が可能であることが分かった。
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Research Products
(9 results)