2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550071
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 正 東邦大学, 理学部, 教授 (30171523)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ルイス酸 / 逆供与相互作用 / 超原子価化合物 / メスバウアー分光法 / 金錯体 / アンチモン化合物 |
Research Abstract |
ホウ素原子などの13族元素をルイス酸点をもつ配位子はZ型配位とよばれ,その金属錯体における金属→配位子相互作用について注目されている.これまでX線構造解析や密度汎関数計算から研究が進められてきた.本研究は、直接的な電子状態についての知見を得るためにメスバウアー分光法も用いてM→Z相互作用を検証することを目的に行なった. 23年度に引き続き側鎖にアミノ基をもつボラン配位子,ジアミノおよびトリアミノボランの合成を試みたが,合成に至らなかった. 24年度は15族元素が超原子価化合物を作るときにルイス酸点として作用することに注目して超原子価アンチモン化合物の研究を進めた.三方両錐構造のエクアトリアル位に有機金フラグメントが結合した超原子価アンチモン化合物Rf2Sb(AuL)[Rf = C,O配位の有機配位子,L = ジメチルスルフィド(SMe2),トリフェニルホスフィン(PPh3)]を今回新たに合成した.Rf2SbM (M = Li, Et4N)とPh3PAuClの反応で、Rf2SbAu(PPh3)2が得られることがX線構造解析から分かった.面白いことにAuは珍しい3配位であった.Sb原子周囲の構造の歪み具合からエクアトリアル面内にかなりの電子が存在することがわかった. Rf2SbAuSMe2の12 KでのSb-121メスバウアースペクトルからも,エクアトリアル面内にかなりの電子が存在することがわかった.これらの結果は、Au原子からSb原子への供与的相互作用が存在することを示唆するものであった.Au-197メスバウアー分光法によりAu原子側からも,Au→Sb相互作用について検討する予定であったが、研究用原子炉が稼働せずメスバウアー線源を作ることができなかった.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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