2010 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル増幅機能を内蔵した新規グルコースセンシングマイクロカプセルの開発
Project/Area Number |
21550074
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
遠田 浩司 富山大学, 大学院・理工学研究部(工学), 教授 (60212065)
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Keywords | 分子認識 / バイオセンサー / オプティカル酵素センサー |
Research Abstract |
低侵襲的に間質組織中のグルコースをモニターするシステムの構築を目指した,シグナル増幅機能を内蔵する新規膜透過性制御型グルコースセンシングマイクロカプセルの開発を目指し,以下の研究を行った。 1.マイクロカプセルの核となる色素/酵素担持用微粒子の調製 微粒子基材として、強度に優れた直径約1μmのポリスチレン粒子に固定化用のカルボキシル基を導入したマイクロビーズを乳化重合法によって調製した。このマイクロビーズは平成21年度の本研究で調整したポリアクリルアミド微粒子に比べ取り扱いが容易で,酵素および色素の固定化量も十分であることが見いだされた。 2.固定化用新規機能性色素の開発 グルコース濃度の情報を色変化の情報に変換する新規機能性色素として,アミノ基を固定化部位とする4種類のボロンジピロメセン誘導体を合成し,その情報変換特性を評価した。結果として分子内に二個のブロモヒドロキシスチレンを導入したボロンジピロメセン誘導体は,酸性側では最大吸収波長760nm,アルカリ側では645nmに吸収極大という,pH変化により極めて大きな光学的特性変化を示すことが分かった。この色素のpKaは6.0またアルカリ側でのモル吸光係数は60,000であり,光安定性にもすぐれ,近赤外領域に吸収極大を持つことから,皮下埋め込み型センシングカプセル用機能性色素として極めて有望である。 3.センシングカプセル応答の理論化・定式化と実験的検証 ジオメトリーが異なるオプティカルセンサーの拡散方程式に基づくグルコース経時応答の理論化・定式化を行い,フィルム状のセンサーよりも球状のセンシングカプセルのほうが応答速度が早く感度が向上することを見出した。
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