2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化ナノ規則構造を利用したナノアレイ作製法の開発とセンサ応用
Project/Area Number |
21550084
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 准教授 (70253333)
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Keywords | ブロック共重合体 / ミセル / 自己組織化 / 金ナノ粒子 / 局在表面プラズモン |
Research Abstract |
疎水性のポリスチレン(PS)と親水性のポリビニルピリジン(PVP)からなる両親媒性ブロック共重合体(PS-b-PVP)では,トルエン溶液中PVPをコア,PSをコロナとするコア・コロナ型の球状ミセルを形成する。さらに,これを基板上に塗布するだけでミセルが自発的に配列し,ナノメートルスケールの微細な構造パターンを簡単に得ることができる。ミセルのコア径やコア中心間距離は,各ブロック成分の成分比によって自在にコントロールできることから,これをテンプレートとしてナノ粒子を集積化するソフトテンプレート法(ポリマーのようなソフトマテリアルを利用した指向性自己組織化法)について検討した。その結果,この薄膜を金ナノ粒子の水溶液に数分間浸漬させるだけで,金ナノ粒子を各ミセル上部にピンポイントで配置できることをつきとめた。このような組織化は,粒子とミセルに作用する静電引力や粒子間に作用する凝集力や静電反発力に支配されており,粒径の大きな金ナノ粒子では,粒子間に作用する凝集力が,粒子とミセルの間に作用する結合力よりも大きくなり,ミセルの存在に関わりなく金ナノ粒子同士が凝集体を形成するなど,テンプレート効果が失われてしまうことがわかった。 PS-b-PVP系ミセルテンプレートでは,15nm程度の金ナノ粒子であればミセルの形成する六方規則構造(構造周期:50nm心に沿って,金ナノ粒子を配列することが可能である。また,粒径の小さな金ナノ粒子を利用すれば,一つのミセル上に複数個の金ナノ粒子を集積化したナノ粒子アレイを作製することも可能であり,ナノアレイ構造およびナノ階層構造の作製技術として有用と思われる。
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Research Products
(8 results)