2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550086
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 工学系研究科, 客員研究員 (40039285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高椋 利幸 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (70291838)
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Keywords | イオン液体 / 混合溶媒 / 溶媒クラスター / 高分子 / キャピラリー分離 / フローインジェクション / FIA |
Research Abstract |
(1)混合溶媒、特にイオン液体におけるミクロ溶媒クラスターの生成の様子を混合溶媒の種類と組成を変えて中性子小核散乱実験およびNMRとIRの実験を行った。その結果、メタノールはC_<n>mim^+TFSA^-(アルキル鎖長n=4-12)とメタノールモル分率0.8≦x_M≦0.995の領域で不均一であった。ベンゼンも同様にイミダゾリウム環と相互作用し会合体を形成することが明らかになった。 (2)イオン液体の水との混合溶媒の融点をモル分率1の条件で種々のイオン液体水溶液の融点を測定した。その結果次の順序で融点が高くなった。[emim]Cl<[bmim]Cl<[bmim]Br<[hmim]Cl<[bmim]CF_3SO_3<[bmim]BF_4,[bmim]BF_4では融点が-1.5℃であり、ほとんど水の構造が独立にできていることが分かった。この結果は分離の機能の順序と一致した。 (3)イオン液体を含む溶液に高分子を加えると分離が向上することをすでに見出したが、イオン液体に高分子の添加によって溶媒の粘土が増大することが分かった。特に陽イオン性界面活性剤(CTAB)、でその効果が大きかった。溶媒の粘土も分離能を決める要因の一つであると考えられる。しかし陽イオン界面活性剤より中性高分子NIPAMが最大分離能を示した。高分子への溶媒和の寄与が大きい。 (4)イオン液体を含まない高分子だけではほとんど分離が行われなかった。即ち、イオン液体分子と高分子の会合体の生成が分離には重要であることが明らかとなった。
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