2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550086
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
田端 正明 佐賀大学, 工学系研究科, 研究員 (40039285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高椋 利幸 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (70291838)
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Keywords | 混合溶媒 / イオン液体 / 高分子 / ミクロ溶媒クラスター / 中性子小角散乱 / ミクロ溶媒クラスター抽出分離分析 / キャピラリー流れ分離分析 |
Research Abstract |
1.溶媒クラスターの研究: イオン液体におけるミクロ溶媒クラスターの生成を混合溶媒の種類と組成を変えて中性子小核散乱と広角X線散乱法の測定によりイオン液体間のπ-π相互作用を測定した。その結果、i)ベンゼン誘導体であるトルエンおよびトリフルオロトルエンとC_nmim^+TFSA^-(n=2-12)との混合溶媒ではトルエンとC_<12>mim^+TFSA^-との混合の不均一性は、ベンゼンほど高くなかった。これは、トルエンメチル基がイミダゾリウム環とのπ-π相互作用に立体障害をもたらし、イミダゾリウム環とトルエン分子による会合体形成を弱化することによると考えられる。ii)高分子、ポリビニールピロリドン(PVP)及びポリ(N-イソプロピリアクリルアミド)(NIPAM)とイオン液体(C4mimCl)の混合溶液では、高分子の濃度の増大とともに相関長が小さくなり、高分子が凝集し、高分子鎖の揺らぎが小さくなった。しかし、イオン液体を加えても、相関長は同じ曲線となり、イオン液体の高分子との相互作用は小さく、高分子の構造変化は見られなかった。 2.流れ分離分析 i)NiPAMとイオン液体(C4mimCl)を含む水溶液を用いて、指示薬XOと銅(II)の溶液を調製し、キャピラリーによる流れ分離分析を行った。過剰のXOと銅(II)と結合したCu-XO錯体が分れて溶出した。溶液では分離できない化合物が、イオン液体を含む溶液を流すだけで分離できることがわかった。 iii)キャピラリー中の混合溶媒中のイオン液体の溶媒クラスターのシミュレーションの計算は、キャピラリー表面での近似が難しく、求めることができなかった。
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