2010 Fiscal Year Annual Research Report
複合動態解析に基づくメタボリックシンドローム評価法の開発
Project/Area Number |
21550089
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
楠 文代 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70057371)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 分析科学 / 薬学 / 動脈硬化 / イソフラボン / コレスタノール / 糖尿病 / 遊離脂肪酸 |
Research Abstract |
平成22年度に開発した分析方法を用いて、健常ラット、糖尿病モデルラット、高脂質食負荷ラットについて糖脂質代謝に関与する生体成分の動態解析を行い、得られたデータの統計学的解析を試みた。 (1) 糖脂質代謝に関与する生体成分の動態解析 1. コレスタノール:コレスタノールは、コレステロールの5α-還元体である。脳腱黄色腫症患者では、ステロール27位水酸化酵素の障害によって血清中コレスタノールが高値を示す。本研究では、コレスタノールの電気化学検出HPLCを用いて高コレスタノール食負荷ラットの血中コレスタノールの定量を行い、本測定法が脳腱黄色腫症の有益な診断法として適用できることを示した。 2. イソフラボン:イソフラボンは抗動脈硬化作用を有するが、その脂質代謝に及ぼす影響を明らかにするためには、感度に優れた動態分析方法を開発する必要がある。本研究では、ピコグラムレベルのイソフラボンを定量できる電気化学検出HPLCを開発し、ラット血中イソフラボンの定量へと応用した。 (2) 動態データの統計学的解析 マルトース負荷後の糖尿病モデルラットについて、血中遊離脂肪酸と血糖値の濃度-時間プロフィールを用いた統計学的解析を試みた。血中遊離脂肪酸の自己相関では、アラキドン酸のみに自己相関が観察された(r>0.3,τ=0.5~3h)。血中遊離脂肪酸と血糖値の2成分間における相互相関では、リノール酸、オレイン酸、パルミチン酸について相互相関が観察され(r>0.5,τ=15~2h)、約2時間前の血糖値が血中遊離脂肪酸濃度に影響を与えている可能性が示唆された。
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