2011 Fiscal Year Annual Research Report
複合動態解析に基づくメタボリックシンドローム評価法の開発
Project/Area Number |
21550089
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
楠 文代 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70057371)
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Keywords | メタボリックシンドローム / 分析科学 / 薬学 / 動脈硬化 / 糖尿病 / コレステロール / 遊離脂肪酸 / 血糖値 |
Research Abstract |
最終年度では、これまでに開発してきた糖脂質代謝に関与する生体成分の分析法を活用して、以下の研究を実施した。 1.動態解析用電気化学検出HPLCの分析バリデーションの実施 的確なメタボリックシンドロームの診断法とするために、動態解析用電気化学検出HPLCに対して、分析バリデーションを行って改良を重ねた。本年度は、ラソステロールの新規電気化学検出HPLCの分析バリデーションを実施し、定量分析法としての信頼性に優れていることを示した。さらに、ラソステロールの電気化学検出HPLCを血中動態分析に適用し、実用性に優れることも示した。また、コレステロールの電気化学検出HPLCに対しては、確率論的観点に基づくノイズ解析法が活用できることを示した。本ノイズ解析法は、感度と精度を容易に評価できる手法であることが判った。 2.簡易採血法の確立と血液試料の取り扱いにおける頑健性の評価 本分析システムが、メタボリックシンドロームの診断基準に用いられる診断法として実用されるためには、ヒトが摂取等通常の生活を行いながら1日数回、指尖頭毛細血管から自己採血した血液がサンプルとして使用できれば、実用性と汎用性に優れた分析法となる。本年度は、健常人より穿刺器具で採血した数十μLの血液で、食後の血糖値・血中遊離脂肪酸・血中トリグリセリドの同時モニタリングの実施に成功した。特に、血中遊離脂肪酸測定時に行う前処理方法はエーテル抽出だけであり、LC/MS等の分析法に比べて簡便かつ容易である。これより、頑健性に優れた前処理方法を確立できた。
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