2009 Fiscal Year Annual Research Report
カチオンーπ相互作用による分子配向制御に基づく立体選択的光付加環化反応の研究
Project/Area Number |
21550097
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山田 眞二 Ochanomizu University, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (30183122)
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Keywords | カチオンーπ相互作用 / 分子間相互作用 / 光付加環化反応 / 立体選択的合成 / 有機光反応 |
Research Abstract |
本年度は分子間カチオンーπ相互作用を利用するジエン類の光二量化および、クマリン類とビニルピリジンとの[2+2]付加環化反応を検討した。 ジエン類の光二量化反応は、二重結合間の反応位置の違いによる異性体およびsyn体とanti体の異性体混合物を与えるため、一般に複数の生成物を与える。本研究では、塩酸存在下、450W高圧水銀ランプを用いて6時間光照射を行ったところ、synHT型二量体を高い選択性で40%の単離収率で与えることを見出した。一方、塩酸の非存在下では複雑な生成物を与え、二量体を単離することはできなかった。このような酸の効果は、塩酸存在下カチオンーπ相互作用により分子配向がhead-to-tailに制御された結果であると考えられる。 クマリン類とビニルピリジンとの[2+2]付加環化反応において、塩酸の有無による生成物の違いを検討した。450W高圧水銀ランプで光照射を行ったところ、塩酸の非存在下ではsyn/antiの比率が4/6であったのに対し、塩酸存在下では6/4に変化した。このようなsyn体の増加は、塩酸を加えた場合、クマリンのベンゼン環とのカチオンーπ相互作用により重なり型の配向を取り、本会合体から[2+2]付加反応が進行したためsyn体の比率が増加したものと考えられる。
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[Journal Article]2009
Author(s)
山田眞二(監修 国武豊喜)
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Journal Title
「超分子サイエンス&テクノロジー」第1章、第2節 (4)「超分子におけるカチオン-π相互作用」(エヌ・ティー・エス)
Pages: 28-39
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