2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550099
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
本田 清 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究院, 准教授 (60231578)
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Keywords | タンデム反応 / イソプレン鎖伸長反応 / [3,3]シグマトロピィー転位反応 / 四級アンモニウム塩 / エンアンモニウム塩 / イミニウム塩 |
Research Abstract |
本研究課題を遂行するため、まず、四級アンモニウム塩に塩基を作用させる系として次の2つの合成アプローチを行った。 1.2段階伸長法の検討 最初に2炭素、次に3炭素を連続的に順次伸長し、合計として5炭素(イソプレン骨格相当)伸長したアリルアミンの合成法を検討した。2炭素の伸長には、β-ハロゲノエタノール誘導体を用い、四級化をおこない、アンモニウム塩を合成した。塩基を作用させ、脱プロトン化により、窒素イリドを発生させると同時に脱離反応により、エンアンモニウム塩を経由してイミニウム塩へ誘導した。脱離基としては、p-ニトロフェノキシ基、フッ素基、アセトキシ基が良好であった。得られたイミニウム塩に3炭素伸長する反応は今のところうまく進行せず、継続課題として残る。この成果を第53回香料・テルペンおよび精油化学に関する討論会で口頭発表した。 2.1段階伸長法の検討 1段階でイソプレン骨格を一挙に導入するため、まず、四級化反応に直接三級アミンと炭素ハロゲン化合物との反応を試みたが複雑な混合物が得られた。生成物には目的の化合物を含んではいるもののS_N2'で反応が進行した化合物も多く得られた。そこで新規イソプレンユニット型三級化剤の合成を行う必要があった。種々検討のすえ、光延反応が目的のアンモニウム塩を合成する鍵になることを見いだした。目的の四級化が達成できたので、次に塩基を作用させ、タンデム型脱離-[3,3]アザクライゼン転位反応を行い、得られたイミニウム塩を選択的に1,2-還元し、目的のイソプレン鎖の伸長に成功した。この成果を日本化学会第90春季年会(2010)で口頭発表した。
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