2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21550099
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
本田 清 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (60231578)
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Keywords | ホモロゲーション / 四級アンモニウム塩 / ジアゾ化合物 / カルベノイド / タンデム反応 / イソプレンユニット伸長 / 光延反応 / 窒素イリド生成 |
Research Abstract |
イソプレン単位で構成されるテルペン化合物は香料や医薬品、農薬といった多くの有用な化合物中に存在することが知られている。本研究は5炭素イソプレン鎖を一段階的または二段階的に導入できる新規合成法の開発について行われたものである。還元的デミノ化反応はカルボニル化合物から一段階でモノおよびジアルキルアミンを合成する官能基変換反応として知られている。本研究ではこの還元的アミノ化手法と[3,3]シグマトロビー転位反応を組み合わせる新規のタンデム型転位-還元反応を見出し、イソプレン鎖伸長反応として展開した。以下3つのアプローチで本研究課題を遂行した。 1.1段階炭素伸長法の検討(四級アンモニウム塩を経由する方法) [3,3]転位反応で生じるイミニウム塩をボラン系還元剤で位置選択的に1,2-還元できることに成功し、一段階による直接的5炭素伸長法はS_N2反応で立体障害が少ない基質であれば伸長可能であった。 2.2段階炭素伸長法の検討(四級アンモニウム塩を経由する方法) 二段階による5炭素伸長法は直接法では反応しにくい立体障害を有する化合物に適用することができ、汎用なテルペン骨格に対してイソプレン単位の伸長を達成することに成功した。さらに、鍵中間体であるアルコール体からも光延反応を用いることでイソプレン単位を順次、伸長することが可能であった。 3.2段階炭素伸長法の検討(四級アンモニウム塩を経由しないでカルベノィドを用いる方法) アリルアミンとアルコキシメチル基を有するジアゾ化合物から発生させたカルベノイドの反応性を検討した結果、一挙に、窒素イリドを発生できる方法を見出した。このことより2炭素伸長が可能になった。この系は四級化反応と塩基による脱プロトン反応工程を必要とせず、出発のアミンから一挙に窒素イリドが得られることを意味する。 以上の結果を日本化学会第92春季年会で口頭発表した。
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