2009 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム触媒を用いたカスケード型連続環化反応を基軸とする立体選択的天然物合成
Project/Area Number |
21550101
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
宮澤 眞宏 University of Toyama, 大学院・理工学研究部(理学), 准教授 (70209899)
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Keywords | パラジウム触媒 / ヘミアセタール / ヘテロ環化反応 / 立体選択的 / スピロケタール / スピロファンジン / ビストラミド / パプラカンジン |
Research Abstract |
我々は、これまでにPd(II)触媒を用いるカスケード型連続環化反応によるスピロケタール合成法の開発を行って来た。今回、この合成法を発展させジヒドロキシケトンを用いた遠隔立体化学制御を含む多不斉中心の一段階制御法を開発した。また近年、スピロケタール構造を有する化合物が数多く単離構造決定され、その中には有用な生理活性を有するものも数多く存在し、その特異構造から絶好の合成ターゲットとなっている。今回、スピロケタール構造を有する、スピロファンジンA、ビストラミドA、パプラカンジン類縁体の合成研究を行った。 1,スピロファンジンの合成 2級アリルアルコールを含むジヒドロキシケトンを基質に用い、塩化パラジウムジベンゾニトリル触媒により、5つの不斉中心を含むスピロケタール部の立体選択的合成に成功した。更に、得られた環化体より左側鎖部の導入にも成功した。 2,ビストラミドAの合成 ジヒドロキシケトンを基質に用い、塩化パラジウムジベンゾニトリル触媒により、ケトンハイドレートを経由したと考えられるスピスピロケタールを立体選択的合成した。この反応により、3つの不斉中心を一挙に構築可能であることが明らかとなった。更に、ビストラミドAの右側鎖部の合成にも成功した。 3,パプラカンジン類縁体の合成 これまでに開発したD-リボース合成法を応用しスビロ-C-アリールグリコリポシドの新規骨格構築法について検討し、パプラカンジン類縁体の合成に成功した。
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