2011 Fiscal Year Annual Research Report
フラビン分子周辺への機能性反応場の構築に基づく高機能酸素酸化有機分子触媒の創成
Project/Area Number |
21550104
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今田 泰嗣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60183191)
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Keywords | 有機分子触媒 / 反応場構築 / デンドリマー触媒 / フラビン単分子膜 / フラビンゲル触媒 / 酸素酸化反応 |
Research Abstract |
本研究では申請者らが開発した環境調和型の酸素酸化触媒能を有するフラビン触媒分子に高機能性反応場を付与し、酵素を超える高い反応性、高い選択性を発揮する高機能性有機分子触媒の創成を目的としている。 フラビン-デンドリマー会合体触媒に関しては、フラビン触媒の酸素活性化能を活用した酸素雰囲気下でのオレフィンの水素添加反応および過酸化水素によるスルフィドの酸素添加反応により、デンドリマー骨格に由来する疎水性反応場構築の効果を実証した。一方で、反応場構築による反応性中間体の活性化あるいは不安定中間体の安定化に基づく触媒活性の向上を実証することはできなかった。 フラビン単分子膜金基板触媒に関しては、アルキル鎖の異なるフラビン単分子膜金基板およびアルカンチオールとの混合系単分子膜金基板を作成し、その電気化学特性を評価した。その結果、アルカンチオールとの混合系単分子膜金基板において、基板上のフラビン分子の集合が抑制され、酸化還元電位が正にシフトすることを明らかにした。 フラビン分子周辺への反応場構築の新たな手法として、フラビン骨格を導入した超分子ゲル化剤を合成し、これが単独であるいはフラビンを含まないゲル化剤との混合系で超分子ゲルを形成することを明らかにした。さらにこれらの含フラビン超分子ゲルが酸素雰囲気下でのオレフィンの水素添加反応において、高い活性を発揮することを明らかにした。 以上の成果は、フラビン触媒周辺への反応場構築による高機能化の可能性を実証したものである。
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Research Products
(3 results)