2009 Fiscal Year Annual Research Report
重要合成中間体の実用的合成法確立を目指したい有機触媒開発研究
Project/Area Number |
21550106
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鈴木 由美子 University of Shizuoka, 薬学部, 講師 (20295546)
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Keywords | 不斉合成・反応 / 触媒設計・反応 / 環境調和型反応 / 選択的合成・反応 / 有機触媒反応 |
Research Abstract |
含窒素複素環式カルベン(NHC)の触媒反応を利用した非対称ベンジルの合成を検討した。NHCの前駆体としてはイミダゾリウム塩を用いた。イミドイルクロリドと芳香族アルデヒドとからNHCの触媒反応によりα-ケトイミンを合成し、このイミン部分を加水分解することで、非対称ベンジルを合成した。イミドイルクロリドのアロイル化の反応条件を検討し、3mol%という少量の触媒量でも高収率で反応が進行する条件を見出した。また、4位と5位にフェニル基が置換したイミダゾリウム塩から生成するNHCの触媒活性が高いことを見出した。α-ケトイミンの加水分解は定量的に進行した。種々の置換基を持つイミドイルクロリドとアルデヒドとの組み合わせにより,この方法を用いて多様な非対称ベンジルの合成が可能になった。 不斉触媒反応への利用を目的とし、新規C2-対称性イミダゾリウム塩の合成行った。窒素元素上の置換基に1-フェニルエチル基あるいは1-(1-ナフチル)エチル基を持ち、4位および5位にメチル基等が置換したイミダゾリウム塩の合成を検討した。新規化合物である4,5-ジメチル体は光学活性なアミンとオルト儀酸エステルとからアミジンを合成し、これと3-クロロブタノンとの環化反応、続く酸化/芳香化反応により合成できた。 第二級アルコールのアシル化を利用した速度論的分割やアルデヒドのシアノシリル化反応においても、イミダゾール環4,5位フェニル基が反応を大きく加速する効果があることを見出した。
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