2010 Fiscal Year Annual Research Report
重要合成中間体の実用的合成法確立を目指した有機触媒開発研究
Project/Area Number |
21550106
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鈴木 由美子 静岡県立大学, 静岡県立大学薬学部, 講師 (20295546)
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Keywords | 不斉合成・反応 / 触媒設計・反応 / 環境調和型反応 / 選択的合成・反応 / 有機触媒反応 |
Research Abstract |
1. 1,2-ジケトン類の合成 イミドイルクロリドとアルデヒドとからNHC触媒反応により生成するα-ケトアミンの加水分解による1,2-ジケトンの合成を検討した。NHC触媒の前駆体として様々な構造のアゾリウム塩を用い、反応を検討したところ、1,3-ジメチルイミダゾリウム塩から生成するNHCが最も強い触媒能を持つことが判明した。反応条件の検討を行い、3mol%の触媒量で、収率よく目的化合物を得ることのできる条件を見出した。従来の方法では合成が困難、あるいは様々な問題があった非対称ベゾゾイン類が、市販の簡単な化合物から効率よく合成できた。また、生成物を単離精製することなく、NHC触媒反応に引き続いて加水分解反応を行うone-pot法による1,2-ジケトンの合成が可能であることを見出した。1,2-ジケトンは医薬品のファルマコアとして重要な含窒素ヘテロ環化合物の合成中間体となる。one-pot法により1,2-ジケトンの合成に引き続いて、フェニレンジアミンやアミジンなどと反応させれば、簡便にキノキサリンやイミダゾール環を持った化合物が合成できると考えられる。 2.光学活性NHCを用いる不斉触媒反応 21年度に合成を達成した、4,3位に置換基を持つC_2-対称性のイミダゾリウム塩をNHC触媒の前駆体として用いたアルデヒドの不斉シアノシリル化反応、第二級アルコールの不斉アシル化反応による速度論的分割行った。その結果、4,3位の置換基(Me, Ph)の存在が触媒反応の速度を著しく速めることが分かった。しかしながら、反応のエナンチオ選択性の向上には至らなかった。
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