2011 Fiscal Year Annual Research Report
重要合成中間体の実用的合成法確立を目指した有機触媒開発研究
Project/Area Number |
21550106
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
鈴木 由美子 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (20295546)
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Keywords | 触媒設計・反応 / 環境調和型反応 / 有機触媒反応 / 選択的合成・反応 |
Research Abstract |
イミドイルクロリドとアルデヒドとからNHC触媒反応により生成するα-ケトアミンの加水分解による1,2-ジケトンのone-pot合成とそれに続く、含窒素複素環化合物のone-pot合成を検討した。 NHC触媒の前駆体として1,3-ジメチルイミダゾリウム塩を3mol%の触媒量で用い、イミドイルクロリドとアルデヒドとから収率よく目的化合物1,2-ジケトンを得ることのできるone-pot合成の条件を見出した。従来の方法では合成が困難,あるいは様々な問題があった非対称ベゾゾイン類が、市販の簡単な化合物から効率よく合成できた。 キノキサリンのone-pot合成とその反応条件について検討した。イミドイルクロイドのアロイル化に続く脱水縮合反応はTHF中、イミドイルクロイドに対してフェニレンジアミンを10当量と濃H2SO4を用いて24時間還流を行うことが最適であることを見出した。そして実際にこの条件を用い、one-potにて多種のジアリールキノキサリンを合成することができた。 ピラジンのone。pot合成法の開発について検討した。イミドイルクロイドのアロイル化に続き反応系内にH_2SO_4を加え、ベンジル体を合成した。その後、イミドイルクロイドに対してエチレンジアミンを12当量を加えて還流を行うと縮合反応が進行した。その反応溶液に硫黄およびmolecular sievesを加えて再び還流を行うと芳香化が完結し、ピラジン体11ができた。以上の条件がピラジン体のone-pot合成において最適であることを見出した。さらに、この条件を用いて多種類の基質からone-potにてピラジン体の合成を行った。
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