2012 Fiscal Year Annual Research Report
開環重合を利用した主鎖が二単位ずつ伸長する多糖の合成法
Project/Area Number |
21550110
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
服部 和幸 北見工業大学, 工学部, 准教授 (20333669)
|
Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
|
Keywords | 多糖合成 / 無水糖 / 開環重合 / カチオン重合 / 1,4-β結合 / セルロース |
Research Abstract |
昨年度まで、目的とする多糖の中間体である2,3,6,2',3',6'-ベンジル化セロビオースの合成の収率が低いという問題を抱えていた。当初の計画とは異なる方法を検討した結果、上記の物質の前駆体における1位の保護基をメチル基からベンジル基へ変更することで収率の向上をみた。さらに、この方法で反応規模を拡大して、同物質の大量合成に成功した。これを用いて1位と4'位の水酸基間で脱水反応を行い、重合モノマーである1,4'-無水セロビオースの合成に成功した。この環化反応の収率は極めて低く、理論的な裏付けを考慮に入れると大幅な向上は期待できないと判断した。 重合の開始剤は、五フッ化リンや三フッ化ホウ素エーテル錯体などの強いルイス酸を使用し、-60℃の低温で高真空下でカチオン重合を行った。モノマー濃度と開始剤濃度を種々検討し、最大転化率25%でメタノール不溶性のポリマーを得た。核磁気共鳴装置で構造を解析したところ、1位の炭素に由来する吸収が1本であったことから、生成ポリマーは立体規則性の多糖であることが予想された。特に、その化学シフトが103ppm付近であることから、過去の文献と比較して(1→4)-β結合型のグルカン、すなわちセルロース型の多糖が得られたと推定された。比較のために、天然のセルロースをベンジル化し、その核磁気共鳴スペクトルや比旋光度を調べるのは今後の課題である。重合条件を最適化することでポリマーへの転化率向上が見込まれ、合成化学的に困難であった(1→4)-β結合型の多糖を構築する手法を確立することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|